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肺炎について

肺炎、という病気を知らない人はおそらくいないでしょう。肺炎には色々な種類があり小さいお子さんからお年寄りまで、どんな方でもかかる可能性があります。わりと身近な病気である肺炎とは、どういう病気なのでしょうか?肺炎について詳しく説明していきます。

肺炎になるとどうなるの?

肺は空気の中の酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する、いわゆるガス交換が行われる臓器です。その肺の中に細菌やウィルスなど様々なものが侵入し、肺が炎症をおこしている状態を肺炎といいます。よく肺炎は季節性のかぜと間違われるのですが、気管支など気道に感染して咳や痰、発熱をおこしているのが、かぜです。しかし肺炎もかぜも咳、痰、発熱と症状が同じことから、症状だけで判別するのは難しいのです。しかし、38度以上の高熱が続く、胸痛がある、赤茶色など色のある痰が出る場合には肺炎の可能性が高いため、検査してしかるべき治療を行います。かぜと思い込んで自然治癒をしようとするのは大変危険です。肺炎は重症化し命を落とすこともある病気ですので、特に高齢者の方はすぐに医師に受診することをおすすめします。

肺炎の種類と特徴

肺炎を起こすきっかけとなる細菌やウィルスは数多く存在します。日常でかかりやすいものは肺炎球菌、インフルエンザ、コロナウィルスなどがあります。そのほか、マイコプラズマ、RSウィルス、ライノウィルスなどが主な肺炎の原因微生物とされています。マイコプラズマ、溶連菌は子どもが主に感染しやすい肺炎とされてきましたが、昨今大人の感染者も増加し、大人が感染すると重症化する場合も多く特に注意が必要です。どの肺炎でも咳、痰、呼吸困難、胸の痛み、高熱が症状としてあげられますが、肺炎球菌では赤褐色の痰が出ることが多いです。また細菌、ウィルスの種類によっては濃い緑色、黄色の痰を伴うことがあります。
65歳以上の高齢者に多い肺炎で特に気をつけたいのが誤嚥性肺炎です。特に体力や筋力が低下し、痰を押し出す力が弱まっている場合や飲み込む力が弱まっている方は誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。また、高齢の方は肺炎であっても特徴的な咳や痰の症状がはっきりとしないために発見が遅れ重篤化するケースもあります。高齢者にかかわらず、体力が落ちている方、免疫力が低下している時には肺炎にもかかりやすくなっています。かぜのような症状があり違和感がある場合には早めの受診を心がけましょう。

肺炎の診断と治療法

肺炎の診断は咳、痰、熱などの症状の他に胸の痛みなどの症状があった場合、聴診に加え胸部エックス線検査、血液検査、喀痰検査により、原因となっっている細菌、ウィルスを特定します。
肺炎と診断されてからは原因とされる菌に有効な抗生物質、抗ウィルス薬を服用します。お薬が効くとすぐに服用を中断される方がいるのですが、菌を確実に消滅させるためには、決められた期間しっかりとお薬は服用します。独自の判断で服用を中断した後に、更に酷くなることもあります。また、他のお薬を使用している場合やアレルギーのある方などはしっかりと主治医と相談して服用するお薬を決めましょう。重篤化している場合には入院して治療することもあります。

肺炎を防ぐには

現在、肺炎での死亡者数はとても多く、年間7万人以上の方が肺炎で亡くなられています。特に65歳以上の人口が多くなってきている日本においては今後も肺炎が原因で死亡する方がの増加が予想され、肺炎の対策が必須になってきています。
肺炎は感染を防ぐことが大切です。例えば、集団生活を送っているお子さんが菌をもらってきてしまった場合、同居する家族が徹底して感染防止対策を家庭内で行います。日々の生活においては手洗い、うがいをしっかりとし、公共交通機関や人ごみの中ではマスクをすることも効果的です。
また、肺炎球菌、インフルエンザにはワクチンもありますので65歳を過ぎた方は肺炎球菌ワクチンを接種したり、インフルエンザの流行前に予防接種をすることも感染対策の重要な一つです。
肺炎になりやすい特徴として高血圧、糖尿病、多量の飲酒、喫煙などもあげられています。肺胞は一度壊れてしまうと修復がきかない臓器でもあるので、少しでも肺年齢を若く健康に保つことも大切です。適度な有酸素運動は高血圧、糖尿病などの生活習慣病予防に加え、肺炎にもかかりにくくなる体力作りができます。
肺炎はいつでもかかる可能性がある病気なので、日頃からの健康作りや健康チェックを行い、かぜかな?と思った症状でも肺炎の早期発見のために内科専門医、お子さんの場合には小児科専門医の在籍する医療機関で受診することをおすすめします。

当院では内科専門医、小児科専門医、呼吸器科専門医が在籍しておりますので、適切な診断、検査が行えます。少しでも気になる方はお気軽に受診してください。

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