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睡眠時無呼吸症候群(SAS)といびきの治療について

寝ているときに自分のいびきで起きてしまう、家族からいびきを指摘される、寝ているはずなのに日中ひどい眠気に襲われる、、、こんな経験のある方、もしかすると睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠に影響を及ぼすので放置しておくと社会生活に支障をきたします。睡眠時無呼吸症候群かもしれないと気になる方は一度、呼吸器専門医に相談することをおすすめします。

目次

1・睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
2・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状について
3・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査について
4・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断基準について
5・睡眠時無呼吸症候群(SAS)といびきの治療について
6・睡眠時無呼吸症候群(SAS)リスクチェック

1・睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群は眠っているときに呼吸が止まる状態を繰り返す病気です。英語表記「Sleep Apnea Syndrome」の頭文字からSAS(サス)とも呼ばれています。

睡眠時無呼吸症候群の原因で一番多いのは、寝ている間に喉や気道が塞がれて空気の通りが悪くなることです。特に太っている方は首の周りに脂肪が多いので、仰向けに寝ると舌の付け根や喉の奥が圧迫されて、呼吸の通り道を塞いでしまいます。このように喉などの呼吸器官が原因で起こる睡眠時無呼吸症候群は閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)とも言われ、睡眠時無呼吸症候群の方の9割がこのタイプです。

睡眠時無呼吸症候群としてもう一つのタイプは、呼吸中枢からの指示がうまく作動しないことで呼吸運動そのものが阻害されているタイプです。呼吸中枢は心筋や呼吸筋、末梢神経などに呼吸をするための信号を送るのですが、何かしらの異常が起こり呼吸が止まったり、浅くなったりします。このタイプは中枢性睡眠時無呼吸(CSA)と言われ、睡眠時無呼吸症候群の方の数パーセントですが、心不全の患者さんの約3割が中枢性睡眠時無呼吸(CSA)を併発していると言われています。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は呼吸をしようとしているのにうまくできない状態なのに対し、中枢性睡眠時無呼吸(CSA)は呼吸そのものをしようとしていない状態ということです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に罹っている人は国内でも240万人はいるとされていますが、寝ているときの無呼吸に気がつかずに検査をしていない人も多く見られるため、潜在的な患者さんはもっと多いと推測されます。

2・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状について

睡眠は日中活動をした体や脳を休めるための大切な行為ですが、睡眠時無呼吸症候群を起こしていると呼吸がスムーズに行われないために脳も体も休まることができません。睡眠時無呼吸症候群の厄介なところは、寝ている間なのでご本人は意識していないことも多く、ご家族が心配されて受診に来られる方もいらっしゃいます。

主な症状は気道がふさがれる事によって起こるいびきです。大きな音のいびきが続いたかと思うと、突然ピタッと鳴り止みます。いびきが鳴り止んでいるときは呼吸が止まっています。この状態を繰り返します。息が止まったときに苦しくなってご自身で起きてしまうこともあります。起床時には頭や体がスッキリしない、頭痛がする、倦怠感、喉が渇くなどの症状があります。また睡眠時無呼吸症候群の症状で一番問題となるのが日中の眠気です。その眠気はとても強いもので、車の運転中や、大事な会議に出席しているときなど、絶対に眠ってはいけない時にも襲ってきます。

いびきをかくと、血液中に酸素が十分に供給されないため、より多くの酸素を取り入れようと心拍数が上がります。さらに血管の収縮も起こることで高血圧の状態になります。高血圧の状態が繰り返されると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす原因になります。睡眠時無呼吸症候群の人は高血圧、心疾患や脳血管疾患、生活習慣病を合併している割合が3〜5倍高いと言われています。

3・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査、診断基準について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査は問診、自宅での簡易検査、重症の疑いがある場合には病院での入院検査という流れになります。

問診では睡眠時のいびきの有無、起床時の体の異変、日中の眠気、生活環境、持病や生活習慣病の疑いなどをヒアリングしていきます。問診の結果、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあると判断されると自宅での検査になります。自宅での簡易検査は手や指、鼻の下にセンサーをつけて睡眠してもらいます。普段の睡眠を妨害することのない非常に簡単に取り扱いができる検査機器です。自宅検査での数値をもとに、より詳しく検査する必要があると診断されたら専門医療機関をご紹介し、一日入院検査をしてもらいます。

4・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断基準について

一晩、7時間の睡眠で30回以上無呼吸になる。または1時間に5回以上無呼吸になる。
無呼吸とは10秒以上呼吸が止まる状態です。この基準に当てはまると睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。

5・睡眠時無呼吸症候群(SAS)といびきの治療について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は患者さんの症状や原因に合わせて進めていきます。症状を緩和させることを目的とした対処療法としてCAPA療法、マウスピース療法があり、根本的な原因を取り除くための根治療法として外科的手術があります。
有効的な治療として取り入れられているのがCAPA療法(経鼻的持続用圧呼吸療法)になります。Continuous Positive Airway Pressureの頭文字からCPAPシーパップ療法とも言われています。鼻にマスクを装着して空気を送り込み、気道が閉塞しないように維持する治療です。CAPA療法は保険適用の治療で、国内でも20万人以上の患者さんが行なっています。

6・睡眠時無呼吸症候群(SAS)リスクチェック

意外と身近な睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですが、放っておくと生活の質を下げる大変厄介な病気です。早期治療のためにも、以下の項目に該当するものがあれば睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクがあるため呼吸器専門医に受診することをおすすめします。

  • 睡眠時にいびきをかく(家族やパートナーに指摘される)
  • 睡眠時に呼吸をしていないと家族やパートナーから指摘された
  • 起床時に倦怠感がある、眠った気がしない
  • 日中眠気に襲われる
  • 健診などでメタボリックシンドローム、あるいは予備軍と診断された
  • 起床時に喉が渇く
  • 睡眠時にこむら返りを起こす
その他にも睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる症状はありますが、少しでも気になることがあれば信頼できる呼吸器専門医に受診しましょう。

 

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