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COPD(慢性閉塞性肺疾患)について

今では「COPD」という言葉を聞いたことがない人は少ないのではないでしょうか?テレビCMに流れていたり、クリニックや病院、薬局の待合室にもポスターが貼られていますよね。タバコの絵が必ずセットになっているのでなんとなくタバコが原因の病気だろうなと思っている方が多いと思います。確かにPOCDはタバコが大きく関係し「タバコ病」とも言われていますが、全ての原因がタバコというわけではありません。タバコを吸っていない方でも、COPD(慢性閉塞性肺疾患)について知っておくと将来かかるかもしれない肺疾患の予防につながると思います。

目次

COPD(慢性閉塞性肺疾患)ってなに?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状について
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査について
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療について

1・COPD(慢性閉塞性肺疾患)ってなに?

COPD(慢性閉塞性肺疾患まんせいへいそくせいはいしっかん)「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の頭文字をとってCOPDと呼称されます。
人間は呼吸をして空気を吸い込むと気道を通って肺に到達します。肺の中の薄い膜に覆われた肺胞というところで必要な酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出すガス交換が行われます。この肺胞は弾力性のある小さな袋状なったもので、肺の中におよそ3億個存在します。
この肺胞が長年の喫煙や大気汚染にさらされることで肺や気管支に炎症が起こり、徐々に肺胞の弾力性が失われ、収縮ができなくなり破壊され肺気腫になります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断された9割の方が喫煙者です。ご自身が喫煙者でなくても、タバコを吸う人と長時間同じ空間にいることでも有害な煙を取り込んでしまいます。副流煙の方が有害な物質が多く含まれるので、受動喫煙もリスクを高める原因になります。他にも職業的に長年粉塵や化学物質にさらされる環境にいる方、遺伝的な要因(α1-アンチトリプシン欠乏症など)でも引き起こされます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は時間をかけて進行していきます。タバコを吸う期間が長ければ長いほどリスクが高くなります。肺も高齢になれば機能が低下していきます。40歳以上の中高年にCOPD患者が多いのですが検査、治療に至っていない人も多く、隠れCOPD患者も合わせると530万人にも及ぶと推測されています。COPD(慢性閉塞性肺疾患)によって破壊された肺胞は二度と元に戻ることはありません。ですがすぐに禁煙をして治療を開始することで悪化を防ぐことができます。(禁煙外来について詳しくはこちらもご覧ください

2・COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状について

COPD(慢性閉塞性肺疾患)になると肺のガス交換が正常に行われないので、慢性的な咳、慢性的な痰、ちょっとした動作による息切れなどが主な症状としてあげられます。

慢性的な咳は気管支喘息の症状と似ているのですが(気管支喘息について詳しくはこちらをご覧ください)気管支喘息は何かしらのアレルギーが原因で気管に炎症が起きている状態ですが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の場合は長年のタバコなどによる気管支や肺の炎症と肺胞の破壊によって呼吸機能が低下している状態です。咳や痰でCOPDかな?と思って受診に来られる方はほとんどいません。健康診断の検査でCOPDの疑いが出た場合に受診する方がほとんどですが、咳や痰の症状が長く続いた場合には、特に高齢で喫煙歴のあった方はCOPDの可能性もあるので、呼吸器専門医に受診しましょう。

3・COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査について

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査は肺機能検査が重要です。肺機能検査はスパイロメーターという測定器を使います。通常の呼吸を続けた後に思い切り息を吐いたり吸ったりして肺活量や息を吐き出す力の強さを調べます。COPD患者さんは気道が狭められて息が吐き出しにくくなっています。(検査について詳しくはこちらもご覧ください

問診では喫煙歴、有害な大気の曝露歴など詳しくヒアリングをしていきます。胸部レントゲン検査では肺気腫などの肺の詳しい状態を調べます。

4・COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療について

COPD(慢性閉塞性肺疾患)を完治する治療法はありません。なぜならCOPDによって破壊された肺胞は一生元に戻ることはないからです。さらに肺機能は年齢とともに低下していくので、少しでも肺の健康年齢を維持するために一度COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断されたらそれ以上悪化させないことが重要です。喫煙をしている人はすぐに禁煙しましょう。また危険因子となりそうな環境から遠ざかる、マスクをするなど対策をとりましょう。
薬物療法としては気管支拡張薬を吸入したり去痰剤を服用する場合もあります。呼吸器リハビリテーションや有酸素運動などの運動療法も効果があります。

40歳以上の方は喫煙歴に関係なく定期的にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)検査をすることで、ご自身の肺の健康年齢を知ることにもなります。一度呼吸器専門医に相談することをおすすめします。

 

長引く咳、たん、息切れ、アレルギーなどの、ご心配の場合には、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医が在籍している当院にお気軽ご相談ください。

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