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COPD(慢性閉塞性肺疾患)を指摘されたら

COPD(慢性閉塞性肺疾患)はタバコ病とも言われ、喫煙している、あるいは長年喫煙してきた方に多く見られる疾患として、ここ数年でかなり認知されてきました。

しかし実際にCOPDと指摘されたら具体的にどのような治療が必要なのか、何をすればいいの?とわからない方も多くいらっしゃいます。ここではCOPDと指摘された方の具体的な治療方法など分かりやすく解説していきます。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)について詳しくはこちらもご覧ください

1・COPD(慢性閉塞性肺疾患)はどうやってわかるの?

COPDは20年以上の喫煙歴が一番の発症リスクとされているため、患者さんは40代以降からみられ、多くは60代から70代の方です。40代から50代の患者さんは会社の健康診断や定期検診で肺の機能低下を指摘されてわかることがほとんどです。また、手術前の検査では必ず肺機能検査があるので、そこで初めてCOPDだとわかる方もいらっしゃいます。60代以降の高齢の方は息苦しい、咳が止まらない、ちょっとした運動でも息切れする、痰が切れない、などの具体的な症状があって受診してわかることが多いです。

2・COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査

COPDの検査はスパイロメーターという機器を使って肺の健康状態を測定します。肺にどれくらいの空気を取り込めているか、どれくらい吐き出せているかを調べます。具体的には「肺活量・努力肺活量・%肺活量・1回換気量・1秒量・1秒率・残気量」という項目について計測します。COPD患者さんは「1秒率」が低くなります。1秒率が70%以下になると、気道が狭まって息を吐き出しにくい状態になっています。

検査は鼻をクリップで挟み、マウスピースをくわえて大きく呼吸をします。正確な計測のためにはかなり頑張って吐き出すことが重要です。検査する方の努力が必要とされますが、痛みを伴う検査ではありません。検査に要する時間は20分程度です。40歳以降で喫煙している方はもちろんですが、過去に喫煙していた方も定期的に肺機能検査をすることをおすすめします。

肺機能検査はCOPD以外にも気管支喘息、間質性肺炎、肺線維症、胸膜炎など様々な肺の疾患を調べられるとても重要な検査となっています。

3・COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療目的

一度破壊されてしまった肺胞は元には戻らないため、COPDそのものを完治するお薬はありません。今の状態より悪化させないことが大切です。症状を改善させるためには禁煙、薬物療法、呼吸理学療法を行います。

喫煙している方はすぐに禁煙する(当院の禁煙外来についてはこちら)。同じ生活空間に喫煙している方がいる場合は禁煙に協力してもらいましょう。タバコの煙だけでなく、排気ガスやPM2.5など有害物質を含む空気を吸い込むことも悪化の原因になるので、外出時のマスク着用など、吸い込まないようにする対策も大切です。

薬物療法では気管支拡張薬を患者様の重症度に合わせて調節していきます。そのほか吸入ステロイド薬、去痰薬などのお薬を使い、状況に合わせて組み合わせたり薬の種類を決めていきます。また、インフルエンザの流行前にはワクチン接種をしましょう。

呼吸理学療法とは、呼吸リハビリテーションといい、呼吸法のトレーニングや排痰法など日頃のトレーニングにより症状を改善させるものです。(呼吸理学療法についてはこちらをご覧ください

COPDの治療目的は以上にあげた治療に基づき、呼吸困難や息苦しさ、咳など日常の生活に支障が出る症状を緩和させ、生活の質(QOL)を改善することです。

4・COPD(慢性閉塞性肺疾患)を改善することの重要性

COPDの治療目的である症状の悪化を防ぐことは、同時に生活の質(QOL)の低下を防ぐことにもつながります。COPDは高齢の方に多いのが特徴です。高齢になると肺や呼吸器だけでなく、骨や筋力も低下していきます。COPDの息苦しさなどの症状がきっかけで運動をしなくなり、行動が狭まっていくと、運動能力の低下、筋力・骨の低下だけでなく、精神的にも内向的になっていきます。COPDは肺がんなど重篤な肺疾患の合併リスクになるだけでなく、行動が抑制されることで骨粗鬆症、糖尿病、心血管疾患、抑うつなどの疾患も併発してしまう恐れがあるのです。

COPDを指摘されたらすぐに呼吸器専門医のもと、治療を開始しましょう。COPDの症状が改善されることは全身機能の改善につながります。健康的で快適な生活を送るためにも、COPDの早期発見、早期治療が大切です。

 

長引く咳、たん、息切れ、アレルギーなどの、ご心配の場合には、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医が在籍している当院にお気軽ご相談ください。

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