息切れ、息苦しさについて
階段や坂道を登ったとき、ちょっとした重いものを運んだとき、ささいな運動で息が上がる、息苦しさを感じることはありませんか?年齢のせい、運動不足のせいだと気にしない方もいるかもしれません。
日常生活の少しの運動で息切れ、息苦しさを感じる時は酸素を取り込む機能が低下するような病気が隠れているかもしれません。息切れや息苦しさからわかる病気について詳しくみていきましょう。少しでも気になる方は呼吸器専門医の受診をおすすめします。
目次
・息切れ、息苦しさが起こる原因
・息切れ、息苦しさの症状がでる病気
・息切れ、息苦しさで受診が必要な場合
・息切れ、息苦しさがでるときの検査
・息切れ、息苦しさがでるときの治療
1・息切れ、息苦しさが起こる原因
健康な人でも登山やマラソンなど激しい運動をすると、息切れや息苦しさを感じます。人間は息をすることで体内に十分な酸素を行き渡らせます。激しい運動をすると体に必要な酸素が足りなくなり、肺や筋肉、脳などあらゆる臓器からヘルプ信号が発せられ、呼吸器官にもっとたくさん呼吸をするように促します。この仕組みが息切れや息苦しさを引き起こしているのです。
最近ではコロナウィルス感染後の後遺症として息切れ、息苦しさを相談に来る方が増えています。コロナウィルスに感染すると肺や呼吸器に負担がかかるため後遺症として息切れ、息苦しさを感じることもありますが、長時間のマスクの着用も大きな原因になります。感染対策のための不織布マスクは目が細かく、外の空気を遮断する効果が高いため十分に酸素を体内に取り入れ辛くなります。特に夏場の暑い時や湿気の多い時期にはコロナに罹ったことがない方でもマスクによる息苦しさを訴える方が多くなります。
ご自身の息切れ、息苦しさは何が原因なのかを調べ、適切な治療をするためにも呼吸器専門医に相談することをおすすめします。
2・息切れ、息苦しさの症状がでる病気
息切れ、息苦しさは酸素が体内に十分取り入れられない時に起こるものなので、酸素を取り入れ循環させるどこかしらの器官に障害が起こっているサインといえます。呼吸器疾患や肺疾患、心疾患、糖尿病や甲状腺の異常、精神的な要因など様々なものが考えられます。呼吸器系の疾患としてはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、気管支炎などが代表的な疾患としてあげられます。心疾患は心筋梗塞や心不全、狭心症など体内に酸素を巡らせるポンプの異常によって起こります。貧血、糖尿病、甲状腺の異常が関係していることもあります。特に40代以降の女性に見られる更年期障害ではホットフラッシュや動悸などで体温が上昇することで息苦しさを感じることがあります。さらに息切れや息苦しさを起こすことで何か重篤な病気なのではと心配になり、余計に息苦しさを助長させて過呼吸を引き起こすこともあります。
コロナ禍の生活でステイホームが広まり、部屋に篭りがちになる人も増えました。換気が十分にされていなかったり、人と極端に接することがなくなった、家族との関係性が変わった、など、生活環境の変化で精神的にストレスを感じて息苦しさを感じる人も多いようです。
このように息切れ、息苦しさがあるからといって必ずしも大きな病気だとは限りません。しかし中には特定の病気が隠れていることあるので、気になる方は呼吸器専門医に相談をしましょう。
3・息切れ、息苦しさで受診が必要な場合
息切れ、息苦しさがあるからといって必ずしも大きな病気があるわけではありませんが、特に注意しなければならないことがあります。
人と話していても息苦しさで辛い、息苦しさで眠ることができない、またはすぐに目がさめる、前よりも息苦しい時間が増えている。これらの症状がある場合はすぐに呼吸器専門医に診てもらう必要があります。さらに息苦しさから呼吸困難になり低酸素症状態を起こし、唇が青くなるなどチアノーゼを引き起こしている時は至急受診が必要です。
そのほかの目安としては日常生活の中で2、3回息切れや息苦しさを感じる、またその症状が1週間以上続いている場合も早めの受診をしましょう。
4・息切れ、息苦しさがでるときの検査
肺の機能を調べるために胸部X線カメラ、肺機能検査をします。採血検査や心電図では心臓に異常がないか、体内に炎症はないかなど調べます。
聴診、問診も行うことで原因となる病気を探ります。ただしこれらの検査をしても何も異常が診らなかった場合には心因性のものが考えられるので、日常生活の中にあるストレスを解明していくことも大切です。心療内科の受診が必要な場合もあります。
5・息切れ、息苦しさがでるときの治療
息切れ、息苦しさがでるときは、その原因となっている病気を突き止めることが重要です。治療はそれぞれの病気に準じた治療を行います。COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断された方はすぐに禁煙するようにしましょう。息切れ、息苦しさから解放されるためにも、信頼できる呼吸器専門医に相談し、原因を見つけて適切な治療をしましょう。
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