痛風について
「痛風」はその名前の通り、風が吹いただけでも痛むことから付けられたと言われています。かつては「贅沢病」と言われていたほど主に日頃の食べ物が原因で起こる生活習慣病の一つです。痛風は痛みだけではなく、放置していると腎臓や心臓にも影響を及ぼす怖い病気です。痛風について詳しく解説していきます。
目次
1・痛風とは
痛風は体の中の過剰な尿酸が蓄積され、関節に結晶を作り炎症を起こして激痛を伴います。尿酸はプリン体という物質が肝臓で分解される老廃物で、通常は尿に混じって排出されます。
昔は「贅沢病」と言われていたように、プリン体は肉類やアルコールなどカロリーが高い贅沢な食材に多く含まれています。食の欧米化に伴って日本人の痛風患者は増加傾向にあり、痛風予備軍と言われる高尿酸血症も含めると1,100万人を超えると推定されています。肥満と痛風は関連性があり、30代以降の肥満傾向にある男性に多く、放置しておくと重篤な病気につながる生活習慣病の一つです。
2・痛風の症状
足の親指の付け根の関節などが赤く腫れて、堪え難いほどの激痛がはしります。これを痛風発作といいます。痛む箇所の大半は足の親指の付け根ですが、他にも足首、足の甲、膝などにも痛みが走ることがあります。痛風発作は一週間くらいで治って、症状がなくなります。体に蓄積された尿酸が無くなった訳ではないので、そのまま治療せずに放置しておくと半年から1年以内にまた発作が起こります。その後徐々に発作の感覚は短くなり、慢性痛風になり関節以外にも体のどこかに痛風結節といわれる結節ができたり、腎臓機能が低下したり、尿路結石ができるなどの症状も起こります。
3・痛風の原因
痛風は体に尿酸が蓄積されることでおこります。尿酸は通常は血液中に溶け込み、尿として排出されるのですが、過剰になると溶けきれずに結晶となって関節に蓄積されていきます。尿酸が増える原因はプリン体を多く含む食品やアルコールの摂取、肥満、激しい運動などです。
プリン体が多く含まれる食品はレバー、あん肝、イワシ、カツオ、白子などがあげられます。最近ではプリン体ゼロのアルコールなどが販売されていますが、アルコール自体が尿酸値を上げますので注意が必要です。甘い清涼飲料水や激しい無酸素運動、ストレスも尿酸値を上げます。無酸素運動は大きなエネルギー消費によりプリン体が多く作られ、水分の蒸発により血液中の尿酸が溶けにくくなることで尿酸値が上がってしまうので、十分な水分補給が必要です。
4・痛風の治療
血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると痛風・高尿酸血症と診断されます。
痛風発作が起こった時は非ステロイド性抗炎症薬で関節の炎症や痛みを改善します。その他副腎皮質ステロイド、白血球遊走阻害薬なども使用します。発作が起きていなくとも予兆がある時はコルヒチンを使用します。ただしコルヒチンは発作を抑える働きはありますが根本的な尿酸値を下げる効果はありません。発作が起こっていない時は尿酸産生阻害薬、尿酸排出促進薬を使用します。
痛風は生活習慣の見直しで改善できます。食生活の見直しとしてはプリン体の多く含まれる食材は少なめにすることです。野菜や果物などのビタミンCが豊富なアルカリ性食品は尿酸が排出されやすくなるので積極的に食べることをおすすめします。アルコールや清涼飲料水を多量に摂取せず水を多く飲むようにしましょう。肥満を防ぐためにも有酸素運動は効果的です。激しい筋トレや短距離走などの無酸素運動は逆に尿酸値を高めてしまうため、ウォーキングやジョギング、水泳などの軽めな有酸素運動を日頃の生活に取り入れることが大切です。痛風は脳血管障害、心疾患、腎疾患を引き起こす病気の原因ともなるので、しっかりと治療をする必要があります。健診などで尿酸値が高いと指摘された方はぜひご相談ください。
プリン体が多く含まれる食品
300mg以上 極めて多い食品
鳥レバー・白子・マイワシの干物・あんこう肝酒蒸し・煮干し・鰹節・干し椎茸 など
200〜300mg以上 多い食品
豚レバー・牛レバー・カツオ・マイワシ・マアジ干物・サンマ干物 など
100〜200mg 中程度の食品
肉類・魚類・うなぎ・ワカサギ・ほうれん草 など
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