高血圧について
高血圧でお悩みの方はとても多いです。事実、日本には高血圧の人が4300万人、およそ3人に1人の人が高血圧であるといわれています。ところが高血圧の治療をきちんとしている人は少なく、放置している人が7割近くもいると推定されています。高血圧は生活習慣病の一つであり、放置しておくとある日突然、脳血管疾患や心臓疾患を引き起こす非常に怖い病気です。高血圧とは一体どういうものなのでしょうか?詳しく解説していきます。
目次
1・高血圧とは
健康診断などで血圧を測った時に、「上」とか「下」という言葉を聞くと思いますが、実際は数値を聞いてもあまりよくわかっていない方も多いと思います。
人間の血管の中には血液が流れています。血圧とは血液が血管の壁を押す力を測っています。高血圧とは、その血管にかかる圧力が高くなっていることをいいます。
一回の計測で高血圧になったからといって、すぐに治療しなければいけない、というものでもありません。血圧というのは、日常生活のちょっとした変化でも上下します。朝起きてから朝食を食べる前に測る、できれば夜寝る前も測る、これを二週間ほど続け、その平均値を参考にします。病院への受診の際にもそれを記録しておくと診察がスムーズになります。
高血圧の診断基準
収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上または拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上
2・高血圧を放置してはいけない理由
高血圧でありながら適切な治療をしていない人が多いのは、高血圧と診断されても自覚がなく、たいしたことではないと判断してしまうからでしょう。そこが高血圧の怖いところでもあります。
血圧が高いと、血管の壁が強く押されます。長い間血管が押されることで血管の壁が徐々に傷つき、傷ついた箇所を修復するごとに血管の壁が分厚くなっていきます。分厚くなった血管は動脈硬化となり、硬くなってヒビが入りやすい状態になります。やがて血管が切れてしまうと、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こします。脳血管疾患の半分以上は高血圧が原因とされています。
血管は全身のあらゆるところにあるので、損傷を受けた箇所によって心疾患、腎機能障害、網膜症など様々な重篤な病気を発症させます。
血管が分厚くなって硬くなっていく過程は徐々にですが、突然発症します。特に脳血管疾患においては手足の麻痺が一生残ることもあります。高血圧がわかったら血圧をコントロールするようにしましょう。血圧をコントロールしていればこれらの重篤な病気を回避できる可能性が高いということです。
3・高血圧の原因
高血圧には一次性高血圧(本態性高血圧)と二次性高血圧があります。二次性高血圧は甲状腺機能低下症、腎血管症、睡眠時無呼吸症候群、など原因となる疾患がある場合です。これは全体でも10%程度です。ほとんどの高血圧の人は一次性高血圧に該当します。
一次性高血圧は塩分の過剰摂取、食生活、肥満、運動不足、ストレス、年齢、アルコール、タバコといった生活習慣や生活環境が大きく影響しています。
4・高血圧の治療
高血圧は生活習慣を見直すことでかなり改善が期待できます。
食事
食事はなるべく減塩を意識することです。外食やカップ麺、冷凍食品などの手軽で美味しいものは塩分が多く含まれています。塩分摂取量の目安は厳密には1日に6g未満とされています。これを守るにはちょっと大変かもしれませんが、食品パッケージの裏には必ず塩分表示、ナトリウム含有量が記載されています。その食品にどの程度含まれているのか確認して塩分の量を意識してみましょう。野菜や豆類、海藻類に含まれるカリウムは、塩分を体から排出する働きがあります。これらの食材を積極的に摂るようにすることも高血圧を防ぐ方法です。
アルコールのとりすぎも血圧を上げます。アルコールは適量で済めばいいのですが、食事やつまみと一緒に飲むとついつい飲みすぎてしまうものです。高血圧防止のためにアルコールとの付き合い方も見直しましょう。
運動
有酸素運動をすることで血圧を下げる効果があると確認されています。できれば毎日30分以上のウォーキングやジョギング、水泳など取り入れてみましょう。運動することで肥満の予防にもなります。
そのほか、禁煙をする、ストレスを溜めないなど、血圧を上げる原因となるものを改善していくことで高血圧を防止することができます。
ある程度生活改善をしても血圧が下がらない場合にはお薬の治療が必要です。降圧薬には色々な種類のものがあるので、血圧の下がり具合をみながらお薬を選択していきます。できれば毎日朝晩2回、決まった時間に血圧を測ってコントロールしていくことも大切です。
当院では禁煙外来や食事指導なども行なっておりますので、血圧が高いと気になる方はぜひ一度受診されて、医師指導のもと血圧をコントロールしていくことをおすすめします。
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