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妊娠と喘息について

日本における喘息患者さんは年々増加傾向にあります。その年齢層は老若男女全ての年代に渡っています。もちろんその中には妊娠している女性もいらっしゃいます。妊婦さんのおよそ4%の方は喘息を合併しているといわれています。

特に妊娠しているときには様々なことに敏感に反応してしまいます。妊娠中の喘息はお腹の赤ちゃんにどんな影響があるのか、薬は使えるのかなど、気になる妊娠と喘息について詳しく解説していきます。

目次

妊婦さんが喘息になることのリスク
妊娠時の治療
妊娠時の喘息の予防
これから妊娠を考えている人へ

1・妊婦さんが喘息になることのリスク

妊娠中の喘息の変化として、3分の1の人が症状が悪化し、変わらない人が3分の1、改善する人が3分の1と確認されています。

妊娠の周期からみて24週から36週になると症状が悪化しやすく、37週から40週で症状が軽減されるとの報告もあります。

妊娠中はホルモンバランスの変化やお腹が大きくなることで呼吸の機能自体の変化も起きます。そこに喘息の発作が加わると酸素不足が起きてお腹の中の赤ちゃんにも酸素が十分に行き渡らず、低酸素血症や血流低下を引き起こし、呼吸器や肺、脳などの臓器に支障をきたす恐れがあります。更には早産や死産といった最悪なケースに至ることもあります。他にも妊娠中毒症、低出生体重児などの合併症の可能性もあるので、妊娠時の喘息コントロールは非常に大切です。

2・妊娠時の治療

妊娠時に薬を摂取することをためらう妊婦さんもいらっしゃいます。確かに妊娠中は口にするものすべてにナーバスになりやすく、ましてお薬となると赤ちゃんへの影響はないの?と心配になる気持ちはわかります。しかし、治療を躊躇することによって喘息が悪化することの方が、母体にも胎児にも深刻な影響を与えます。妊娠中に喘息が悪化する原因の一つが、妊娠時期のお薬の治療の中断であるとも言われています。喘息治療薬による胎児への影響はほぼ心配がないと確認されていますので、呼吸器専門のもと、しっかりと喘息治療をすることが大切です。

妊娠中の喘息薬としてステロイド剤、吸入β2刺激剤の吸入薬を中心に行います。吸入薬をベースにテオフィリンや抗ヒスタミン薬などの経口薬なども使用します。これらのお薬で喘息のコントロールを行なっていきますが、万が一激しい発作が起きてしまうなど変化がある場合には早急に治療を強化する必要があります。これらの喘息のお薬が妊娠中の母体や胎児、また出産後の母乳に影響を与えることはほとんどありません。信頼できる呼吸器専門医と相談しながら、しっかりと妊娠中の喘息コントロールをすることが大切です。
(吸入薬、お薬に関して詳しくはこちらもご覧ください)

3・妊娠時の喘息の予防

妊娠前から喘息の治療をされている方は、引き続きしっかりと喘息のコントロールを続けることが大切です。妊娠前からしっかりと喘息コントロールされている妊婦さんは、妊娠時の喘息が悪化しないことが多いようです。妊娠時に急に喘息のような症状が出てしまった方はすぐに呼吸器科専門医に受診し、喘息の治療を開始する必要があります。

喘息はお薬での治療が一番効果的ではありますが、普段の生活から喘息にかかりにくくなるように予防することもできます。タバコを吸っている人はすぐに禁煙しましょう。タバコを吸うことは、妊婦さんだけでなくお腹の赤ちゃんにとっても良いことは一つもありません。ご本人が吸っていなくとも、同じ部屋にいる方が喫煙しているときは、同じ空間にいない、あるいは妊婦さんがいる場所での喫煙は控えてもらうようにしましょう。妊娠中の喫煙や煙の影響は生まれてくる赤ちゃんが将来喘息やアレルギー体質になるリスクを増大させます。

タバコの煙だけでなく、アレルゲンとなる物質を避けることも重要です。外出時にはマスクをして花粉や排気ガス、黄砂などアレルゲンとなる物質を侵入させないようにしましょう。お部屋のダニやカビの対策も忘れずにしましょう。また、女性は男性よりも肥満が喘息に影響すると確認されています。妊娠時に適度に運動することは喘息の予防になるだけでなく妊娠時の高血圧や糖尿病を防ぐことにも繋がります。

4・これから妊娠を考えている人へ

今は妊娠していないけれど、これから妊娠しようと考えている、あるいは妊活中であるという方も喘息との付き合い方に不安を感じている人は多いと思います。喘息をお持ちのかたでもきちんと喘息をコントロールできていれば何の問題もなく妊娠、出産ができます。

お薬が心配な方は主治医と相談し、お薬の説明を改めて確認しておくと安心だと思います。ご自身の判断で治療を中断させることは避けてください。喘息を悪化させ、妊活にも影響が出てきます。

信頼できる呼吸器専門医のもと、喘息のコントロールを行うことで安心して将来の妊娠に臨めます。不安なことがあれば何でも呼吸器科専門医に相談することが大切です。

 

長引く咳、たん、息切れ、アレルギーなどの、ご心配の場合には、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医が在籍している当院にお気軽ご相談ください。

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