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台風と咳

日本は世界的にみても台風が非常に多く発生する国です。7月から10月にかけて発生する台風は、強風や大雨などの自然災害だけでなく、人間の体にも影響を及ぼします。特にこの時期の咳に悩まされている人は多いです。台風と咳の関係について解説していきます。

台風が来ると具合が悪くなる?

亜熱帯地域の海上で発生する熱帯低気圧が発達し、風速17m/s以上のものを台風と呼びます。日本では毎年7月から10月にかけて多く発生します。特に上陸数が多い月が8月と9月です。日本は地形的に気流の流れから台風が接近しやすく、毎年のように台風の影響をうけます。上陸したときは交通機関などにも影響が出て、甚大な被害をもたらします。

今年はラニーニャ現象という海面水温が高くなる現象により平年よりも早く台風の影響があり、6月は平年以上に台風の接近回数が増加すると予想されています。近年における地球温暖化や異常気象が続くと、今後も6月や今まで台風が来なかった時期に台風が起こることも十分考えられます。


台風の被害は強風、大雨などの自然災害だけではなく、台風によって気圧が下がることにより人間の体にも影響を及ぼします。低気圧によって体調が悪くなることを「気象病」といい、近年注目されています。気象病は台風の時に限らず、気圧の低下、寒暖差、湿度などあらゆる気象状況によって引き起こされる不調のことです。台風や寒冷前線の通過時期に最も強く症状が出る人が多いようです。症状は頭痛、めまい、吐き気、倦怠感、むくみ、関節の痛みなど様々です。

これらは気候の変化によって、自律神経が乱れることが大きな原因だといわれています。特にぜん息の発作は気圧の変化に影響を受けやすく、台風時期にぜん息がひどくなる患者さんはとても多いです。台風が接近している時や上陸している時だけではなく、台風が去った後にも空中に舞い上がっている粉塵やカビなど有害物質の影響で咳が出る、息苦しいなどの症状が続くこともあります。

台風と咳の関係

台風がくる時期になると息苦しさを感じる、夜に咳が止まらない、など呼吸器の不調を訴える方はとても多くいらっしゃいます。事実、台風の接近に伴い、気圧が低下してくるとぜん息が悪化すると報告されています。低気圧によって自律神経が乱れることで、交感神経と副交感神経の働きに異常をきたし、脳の咳中枢や気管支の粘膜を刺激して咳を誘発しやすくなります。特に就寝時には咳がひどくなる傾向にあります。

台風が梅雨の時期と重なった年は特にぜん息患者さんは注意が必要です。梅雨時期はダニやカビが繁殖しやすくなっている上に、台風によって大気に残留したホコリや粉塵などの有害物質が加わり、低気圧が重なることで、ぜん息を悪化させる原因がいくつも重なってしまうのです。

台風の時期の咳の対処法

すでにぜん息薬でコントロールをしている方で症状が悪化した場合は、お薬の見直しが必要です。主治医と相談し、気管支の炎症具合を確認しながら適切なお薬を使用しましょう。また、今までにぜん息になっていない方もこの時期に始めて発症することもあります。止まらない咳、夜眠れない、痰が絡むなど咳の状況もそれぞれだと思いますが、すぐに呼吸器専門医のもと、必要な検査をし、診察してもらうことをおすすめします。

台風の時期の咳はいつものことだからと市販薬で済ませる人もいらっしゃいます。市販薬は全ての方に向けられた薬ですので、その方の症状にピンポイントで合わせたものではありません。その人にとっては余分な成分を摂取してしまうこともあります。また、その咳が本当に「気象病」で片付けられるものなのかという問題もあります。二週間以上眠れないほどの咳が続く場合はマイコプラズマなど肺の疾患も考えられます。アレルギー検査や呼吸器検査、胸部CT検査などをして咳の原因を調べることが大切です。

また、自律神経の乱れはストレスが原因となっていることが多いです。「これくらいは平気」とご自身では思っていても、体はSOSのサインとして咳などの症状を出している可能性があります。身体的、精神的ストレスを軽減させるようにしましょう。

台風の時期の咳はぜん息を悪化させるだけではなく、咳によって睡眠不足になる、昼間のパフォーマンスが低下するなど生活の質(QOL)を落とす引き金にもなります。咳は専門医の適切な検査、診断のもとお薬を使用することで改善されます。呼吸器専門医のもと、しっかりとした治療を進めていくことが大切です。

 

長引く咳、たん、息切れ、アレルギーなどの、ご心配の場合には、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医が在籍している当院にお気軽ご相談ください。

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