咳喘息について
咳喘息は気管支喘息と共に悩んでいる患者さんが多くいらっしゃいます。
咳喘息になるとどのような症状になるのか、有効な治療法はある?など咳喘息に関して詳しく解説していきます。
目次
1・咳喘息について
咳喘息はアレルギーによって咳が長引く病気です。
アレルギー性の咳は気管支喘息でも起こります(気管支喘息のページはこちら)。
気管支喘息と咳喘息、具体的に何が違うのでしょうか?
気管支喘息は咳をした時にヒューヒュー、ゼーゼーといった笛の音のような咳と、呼吸困難を伴いますが、咳喘息はただ咳が出るだけで痰の絡みもあまりない症状が出ます。
咳喘息はよく風邪と間違われて内科で抗生剤をもらって終わる人がいます。
しかし咳喘息は気道が炎症を起こしている状態なので、炎症を抑えなければ再発をしてしまいます。
咳喘息の再発を繰り返していると、次第に気管支や肺に悪影響を及ぼし数年後には気管支喘息へと移行します。
実際に咳喘息の治療をしなかった方の3~4割の方が5年以内に気管支喘息になっています。
咳喘息は適切な治療を行えば改善する病気です。早期発見、早期治療のためにも呼吸器科専門への受診をおすすめします。
2・咳喘息を疑う症状
- 2週間以上咳が続いている
- ヒューヒュー、ゼーゼーという音のしない咳が続いている
- 呼吸困難になったり痰が絡まることがない
- 風邪や花粉症の時に咳が長引く
- 天気や季節の変化で咳が続く
- 運動をすると咳が出る
- 夜間や明け方に咳がひどくなる
- 会話中に咳が止まらなくなる
- エアコンの風やタバコの煙で咳が出る
- 小児喘息になったことがある
など
咳喘息の一番特徴的な症状は2週間以上続く笛声音のない咳です。
ちょっと風邪が長引いているだけと放置することなく、これらの症状に思い当たるものがあるときは呼吸器専門医に相談しましょう。
3・咳喘息の検査
咳喘息を診断するためには、以下の検査をした上で似た症状のある気管支炎、気管支拡張症、心不全、肺血栓塞栓症などの病気がないと確認し、呼吸器専門医が総合的に判断した上で診断します。
他の病気を確認するために必要に応じてレントゲン、心電図などの検査をすることもあります。
問診について
咳喘息においても問診は非常に重要です。
アレルギーをすでにお持ちの方でも生活環境やお薬の使用状況によって十分にコントロールできていないこともあります。
問診では主に以下のような項目を確認します。
- 2週間以上の咳が続いているか
- 咳にヒューヒュー、ゼイゼイの音がないか
- 症状が起こる時間帯
- 過去に喘息と診断されたことがあるか
- アレルギー体質かどうか
- 何がきっかけに症状が出るか
- アレルギーにさらされる環境にいるか
など
他にも気になることがあればメモをしておくなど細かく医師に伝えることが必要です。
聴診について
笛のような音が鳴っているか確認します。咳喘息の場合には笛声音は確認できません。
採血について
採血は咳喘息に限らず体の色々な情報を得るために有用な検査です。
採血では体の中に炎症は起きていないか、アレルギー反応があるかなどがわかります。
また特定のアレルギーを調べる時にも行います。
肺機能検査について
肺機能検査器(スパイロメーター)では空気が肺に十分送られているか、空気の量や速度を図ることで呼吸がどの程度機能しているか調べます。
呼気NO検査では吐き出した呼気の中の一酸化窒素(NO)濃度を測り、気管支に炎症が起きていないか、どの程度炎症しているかを確認します。
4・咳喘息の治療
咳喘息の治療も気管支喘息の治療と同様に気管支拡張薬や吸入ステロイド薬を用います。
特に咳喘息の場合は風邪と混同されて抗生剤を服用している人もいますが、それでは気道の炎症を抑えることはできません。
吸入薬やお薬に関する具体的な内容はこちらも合わせてご覧下さい
咳喘息の治療もご自身の判断で治療を中止したり服用量を変えることでより悪化し、気管支喘息へと進行してしまう恐れがあります。
また咳喘息の治療をしていても一向に改善されないと相談される方もいらっしゃいますが、その場合は他の合併症を伴っていたり、吸入薬の装置をうまく使用できておらず適用量に満たっていないなど様々な原因が考えられます。
咳喘息治療の判断を見誤らないためにも信頼できる呼吸器専門医のいるクリニック、病院での受診が大切です。
長引く咳、たん、息切れ、アレルギーなどの、ご心配の場合には、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医が在籍している当院にお気軽ご相談ください。
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