健康診断後の二次検査について
健康診断を毎年受けるだけで安心していませんか。もちろん、定期的な健康診断において何も異常がない場合には安心できますが、異常所見があっても、まだ大丈夫だろうと放置している人も多くいらっしゃいます。健康診断の二次検査と言われる検査を行うことは大きな病気の早期治療にもつながります。
1・健康診断で異常所見があったら
健康診断での異常は、それぞれの項目において年齢や性別を考慮して定められた基準値に基づいて判定します。詳しくはこちらの「健康診断で異常が出たら」の記事をご覧ください
特に注目して欲しいのが、2段階、3段階と言われる経過観察が必要なときです。二次検査は定義によると4段階の再検査、精密検査が必要な場合に実施する検査ではあります。4段階以上の人はご自身でも危機感を持たれることもあり、すぐに再検査をする傾向にあるのですが、2段階、3段階の判定ですと「まだ大丈夫、もっと悪化してから検査すればいい」と考える人がほとんどなのです。しかし、この段階はあくまでも目安であるために、何か症状が出てきたり、4段階以上の検査結果になったときには、すでに治療が難しい、または長期にわたる厄介なものになる場合も多々あります。
今は医療の技術も検査技術も進歩しており早期に対処することで最悪な結果になることはほぼありません。そして二次検査を受けることで、より安心して日々の生活を送ることにもつながります。
「経過観察」=「大丈夫な状態」ではなく、経過観察だからこそ医師の指導のもと、必要であれば二次検査を受けて改善していかなければならないのです。
2・主な二次検査
二次検査としてより詳細な尿検査、血液検査があります。空腹時血中脂質検査、空腹時血糖値検査、ヘモグロビンA1C検査、微量アルブミン尿検査など。また超音波検査、上部消化器官内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査、CT検査、胸部CT検査、呼吸器検査など必要に応じて複数の検査を行います。また特定保健指導として栄養指導、運動指導、生活指導も実施します。
特に最近では花粉症などのアレルギーから咳や痰が続いている人が多く、アレルギー性のものだろうと自己判断して隠れ喘息や肺の疾患を見逃してしまうこともあります。呼吸器検査には呼気NO検査、肺機能検査が有効です。詳しくはこちらもご覧ください。
肺機能検査について
肺機能検査はご自身の肺がどのくらい空気を吸い込めて、吐き出せるかを調べます。これは肺機能の状態を把握するためにとても有効な検査です。特に長年喫煙生活を送ってきた方に多いCOPDや喘息をはじめとした肺疾患を調べることができます。呼吸NO検査と肺機能検査は呼吸器専門クリニックでないとできない場合が多いため、一般内科では見送られてしまうことが多い検査でもあります。二次検査の一つとして取り入れるとことをお勧めします。
3・スムーズな二次検査ができるために
二次検査になると健康診断と違い企業が受けさせる義務がなくなるので自己負担になリます。
(企業によっては異なることもあります)二次検査は保険適用の検査ではありますが、費用や時間がかかることで、ついつい放置してしまうという方も少なくありません。特に今現在生活に支障が出るほどの症状がなければ特に検査から遠のいてしまうでしょう。ところが、前述したように何かしらの症状がある、健診結果が悪くなった、そこからではすでに手遅れになってしまう場合もあるのです。そうすると、二次検査で渋っていた検査代以上の治療費や長期にわたる治療など生活の質を著しく低下させる結果にもなってしまうのです。
また、健診と違う医療機関で検査となると、予約をしたり初診から始まることでうまく主治医とコミュニケーションが取れなかったり様々な支障も考えられます。そこでスムーズな二次検査ができるために、健康診断の時から専門医のいる、通いやすいクリニックを選ぶことが重要です。
当院では総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医が在籍していることで二次検査もスムーズに行うことができます。またより精密な専門的な検査が必要な際にも各種専門病院、クリニックへの紹介を迅速に行います。これから健康診断を控えている人や、すでに健康診断の結果が気になる人などお気軽にご相談ください。