アレルギー性鼻炎について
花粉の時期だけでなく、家の中にいてもサラサラとした鼻水が止まらない、くしゃみが出るなどの症状に心当たりのある人、けっこういらっしゃると思います。もしかするとアレルギー性鼻炎かもしれません。
アレルギー性鼻炎に悩まされている人はなんと日本人の2人に1人もいるとされています。アレルギー性鼻炎とはどういうものなのでしょうか?詳しく解説していきます。
目次
1・アレルギー性鼻炎とは
アレルギーは異物(抗原)に対して体の防御機能が過剰に反応してしまうためにおこります。アレルギー性鼻炎は吸入されたアレルゲンとなる異物によるアレルギー反応で、サラサラとした多量の鼻水、鼻づまり、連発するくしゃみが3大症状です。症状が進むと、喉のかゆみや目のかゆみ、頭痛などの症状も引き起こします。花粉によるこれらの鼻の症状は花粉症といわれます。
花粉症の時期に起こるアレルギー性鼻炎は季節性アレルギー性鼻炎と呼ばれ、冬から春にかけてのスギ、ヒノキ、夏のイネ、秋のブタクサ、ヨモギ、など季節によって飛散する花粉によってもたらされます。家ダニやハウスダストなど季節に関係なく発症するものを通年性アレルギー性鼻炎と呼びます。最近ではこの二つを併発して一年中アレルギー性鼻炎に悩まされている人も増えてきています。
喘息もアレルギー性鼻炎も同じアレルギー疾患で、鼻から気管支、肺へとひとつながりに繋がっているので同じ炎症が起こっています。花粉症の時期に喘息がひどくなるのは、鼻炎を合併していることが原因です。喘息患者さんのおよそ7割近くに鼻炎があることが報告されています。ですが喘息患者さんの中にはご自身が鼻炎にかかっていると自覚していらっしゃらない方も多いです。喘息も鼻炎も同時に治療をしていかないといけません。アレルギー性鼻炎の治療をしっかりとすることで喘息の症状も改善することがわかっています。
2・アレルギー性鼻炎の原因
季節性アレルギー性鼻炎はスギやヒノキ、ヨモギなどの花粉に対して発症します。最近の花粉症がひどくなる原因としては黄砂やPM2.5などのアジュバント物質だといわれています。アジュバント物質とは「Adjuvant」、ラテン語の「助ける」という意味から来ています。要するに花粉に付着することでアレルギーを誘発させ、悪化させる手助けをしてしまう物質ということです。今まで花粉症になっていなかった人は花粉に対する抵抗力が保たれていたからなのですが、このアジュバント物質によって花粉がより強力なものになり、抵抗力より花粉が強くなってしまい、いつ発症してもおかしくない状態になっています。
通年性アレルギー性鼻炎の原因は室内のダニ、ハウスダスト、ペットの毛、カビや真菌です。ここ数年のステイホームの影響で室内にいる時間が増えたことや、ペットブームよって、これらの物質に対するアレルギー性鼻炎を発症する人が増えてきました。昼間は何も症状がないのに、寝ているときに鼻水が止まらない、鼻が詰まって眠れないなどの症状が続くと、昼間の仕事や勉強に集中できない、昼間にボーッとするなど日常生活に支障をきたします。夜だけの症状でもアレルギー性鼻炎の可能性はあるので早めの受診をおすすめします。
3・アレルギー性鼻炎の検査と治療
アレルギ性鼻炎の検査は問診、鼻鏡検査、血液・鼻汁好酸球検査、採血検査でアレルギー性のものであるか判断します。鼻汁好酸球検査は綿棒で鼻の中を拭う検査で、アレルギーの90%が陽性となります。採血検査などでアレルゲンを特定することは今後の治療の指針にもなります。
アレルギー性鼻炎の治療は薬物療法、免疫療法、環境整備、重症の場合は手術療法があります。薬物療法は鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、鼻水、鼻づまりを抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬など患者様の症状に合わせて組み合わせて使います。免疫療法は特定のアレルゲンとなる抗原を少量添加することで、体に徐々に慣らしていき症状を緩和させるものです。当院では舌下免疫療法を行なっております。
アレルギー性鼻炎の治療として環境整備はとても重要です。日頃アレルゲンにさらされている環境を見直します。花粉の時期であれば花粉を室内に持ち込まない、ダニやハウスダスト、ペットに関しては掃除をこまめにする必要があります。また、エアコンのフィルターはカビの温床となります。空気清浄機も買ってきてずっとフィルター掃除をしていなければ、逆にカビや菌を室内に撒き散らしていることになります。重症な場合にはレーザー手術など外科的治療をすることもあります。
アレルギー性鼻炎は重症化させないためにも、アレルギー、呼吸器専門医のもと、お薬や環境整備の指導などしっかりと治療していくことが肝心です。
長引く咳、たん、息切れ、アレルギーなどの、ご心配の場合には、呼吸器専門医・アレルギー専門医・総合内科専門医が在籍している当院にお気軽ご相談ください。
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