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白玉、美白注射を導入しました!

[2024.07.22]

田町三田駅前内科では6月から自費診療として白玉、美白注射を導入いたしました。
注射内容について、こちらで解説をいたします。

にんにく注射も導入しておりますので、そちらも併せてご検討ください
 →にんにく注射に関してはこちら

1.白玉注射

①白玉注射とは?

白玉注射とは『グルタチオン』の注射になります。グルタチオンとはグルタミン酸、システイン、グリシンという3種類のアミノ酸が結合したトリペプチドという構造物です。グルタチオンは体内で合成できる物質ですが、食事やサプリメントからも摂取できます。
食事ではほうれん草、ブロッコリー、レバーなどに多く含まれています。

②どのような効果があるか?

図1:メラニン合成

人間の皮膚ではメラニンが合成されます。メラニンは肌表面で紫外線を吸収し、内部に届かないよう防御します。日傘のような役割ですね。メラニンは黒色のユーメラニンと黄~赤色のフェオメラニンの2種類が存在します。毛髪でいうと、黒髪はユーメラニン、金髪はフェオメラニン主体で含まれていることになります。
紫外線を浴びるとチロシナーゼという酵素が活性化され、チロシンというアミノ酸から最終的にメラニンが作られます。グルタチオンはこのチロシナーゼの活性を抑制し、メラニンの産生を抑えると考えられています。またグルタチオンはフェオメラニンを合成する経路を誘導する作用も持っています。そのため結果的に黒色のユーメラニンの割合が減っていくことになります。(図1)
他にもグルタチオンは抗酸化作用を持っています。肝斑の患者さんでは酸化ストレスの関与が考えられており、抗酸化作用のあるグルタチオンが肝斑改善の効果に期待されています。
『白玉』という名前の由来は、グルタチオンのメラニン生成抑制効果により美白効果が得られることに期待して名付けられたのかもしれません。
注意点として、メラニンの産生を抑える作用はございますが、すでに作られているメラニンを減らす作用はございません。
グルタチオンによる美白効果は研究段階であり、確実に証明された報告はございません。文献では一部の日光暴露部位に関して、メラニン産生抑制効果があったことや、しわを改善させたという報告がございます。ですがこれらに一貫性はなく、確実性は乏しいのが現状です。

③どのくらい効果が続くか?

長期投与や投与頻度に関しては報告がございません。ただしグルタチオンの投与を中止した場合は皮膚の色は元に戻るため、長期効果は得られないと考えられます。
投与頻度や効果減弱までの期間を把握するにはさらなる調査と研究が必要です。

④副作用はあるか?

現在副作用としては薬剤のアレルギー反応のみが報告されております。

2.美白注射

①美白注射とは

美白注射とは『クリストファン』の注射になります。これはアスコルビン酸とL-システインの合剤になります。そしてアスコルビン酸とはビタミンCのことです。
ビタミンCは皮膚、骨、歯、血管などに必要な膠原線維を作るために必要な栄養素となります。1日およそ100mgの摂取が必要になります。レモンに多く含まれているイメージがありますが(私だけかもしれません)、レモン1個あたりには20mgしか含まれておりません。主に野菜や果物、イモ類に含まれており、パプリカやキウイなどの方が、レモンより多くビタミンCが含まれています。
L-システインは体内で合成する事ができるアミノ酸です。上述したようにグルタチオンに含まれているアミノ酸の1つです。

②どのような効果があるか?

ビタミンCはメラニン合成を抑制する作用を持ちます。メラニンはチロシン→ドーパ→ドーパキノン→・・・→メラニンという過程で生成されていきます。ビタミンCはドーパキノンをドーパに戻す(還元する)作用があり、メラニンの合成を抑制します。(図1)
また合成された黒色のユーメラニンを淡色の還元型メラニンにする脱色作用も併せ持ちます。脱色作用は肝斑や歯肉の色素沈着に対する治療に効果が期待されております。
実際にメラニンの減少に関しては一定の効果が得られている報告があります。しかしグルタチオンと同様、投薬により美白効果が得られるかは研究段階であり、証明されてはおりません。

③どのくらい効果が持続するか?

ビタミンCは約1500mgを体内に貯蔵できます。また摂取したビタミンCが代謝され、半分の濃度に減るまでの日数は16日となっております。
注射したビタミンC自体は約2週間で半分の容量に減っていると考えられますが、日常的に食事からビタミンCを摂取しているため、2週間で効果が切れるわけではないと考えます。

④副作用はあるか?

ビタミンCは最大の血中濃度が決まっており、飽和した場合は吸収されずに腎臓から排泄されます。そのため健康な方では過剰症になることはありません。そのため副作用は薬剤に対するアレルギー反応のみです。
副作用ではございませんが、静脈注射時に血管痛が生じることがございます。

3.美白スペシャル注射

美白スペシャルは白玉と美白注射を混合した注射(グルタチオン+ビタミンC)になります。2剤の併用はよりメラニン合成を抑制する可能性が考えられます。

美白に最も大切なことは紫外線から皮膚を守ることです。紫外線対策やスキンケアが重要であることは間違いありません。
美白注射は美白効果を保証する注射ではございませんが、メラニンの合成を抑制し、結果的に美白効果が得られる可能性がございます。注射のみを重要視するのではなく、美白のための補助として投薬をご検討頂いてみてはいかがでしょうか。
もし興味がございましたら、お気軽に当院の医療スタッフにご相談ください。

参考文献

  • I B S Sitohang, Systemic Glutathione as a Skin-Whitening Agent in Adult, Dermatol Res Pract. 24:2020:8547960.
  • Sidharth Sonthalia, Glutathione as a skin whitening agent: Facts, myths, evidence and controversies, Indian J Dermatol Venereol Lepro. 2016;82(3):262-72.
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
  • Rizwan M Sanadi, The effect of Vitamin C on melanin pigmentation - A systematic review, J Oral Maxillofac Pathol. 2020;24(2):374-382.

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